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者は、ユーザにおける情報処理や通信だけでなく、製造業と金融業、流通業など異業種企業間取引をネットワークでカバーするようになった。また、同一業界内企業各社のネットワークへの重複投資と混乱を避けるため、業界VANが形成され、EDIが促進されることになった。VANサービスは、1995年3月末時点で2,100社を越えるにいたっているが、最近ではネットワークマーネージメントの色彩が濃い。

JISAが1995年に会員に対して実施したアンケート調査によれば、有効回答数438社の年間売上は約9億円で、その内VANを含むネットワークサービスの売上が約2.7億円(サービス全体構成比の約3%)となっている。電気事業法改正以来、順調に伸びていたネットワークサービスも、ここ数年来は横ばいからむしろ減少傾向にある。この理由としては、第一種、第二種電気通信事業者の境界が次第にあいまいになってきたこと、インターネットの急速の進展によりVANに対するニーズが、以前に比較して弱まりつつあることなどが挙げられる。

一方、急速に進展しているイントラネットは、情報共有の範囲が1企業あるいは1つの企業グループに限られるが、情報の共有できる範囲を複数の企業にまでこれを拡大したエクストラネットが話題になっている。エクストラネットは、取引関係を基盤として特定の企業をグループ化する手段として有効であるが、この運営を第三者のインターネットプロバイダにまかせるケースが増つつある。とすれば、こうしたプロバイダが提供するエクストラネットサービスは、インターネットをベースとした新手のVANサービスと言えよう。このように、伝統的なVANサービスはすたれつつあるものの、VANへの新たなアプローチが誕生しつつある。

?B パソコン通信

パソコン通信のユーザは、商用ネット局のGUI(Graphical User Interface)採用による操作性の向上、回線速度のアップなどにより、個人ユーザを中心に急増した。

パソコンネットワークの会員数は、1995年末には400万人を越えており、前年比で42%増となっている。国内のパソコン通信サービスは、PC-VAN、NIFTY-Serveの寡占状態にあった(1996年1月現在でそれぞれ約150万人)が、1995年7月にサービスを開始したPeapleおよび同ネットワークと相互乗り入れサービスを提供しているAsahiネットが急速に会員数を伸ばしつつあり、それぞれ会員数は1995年末で50万人に達している。その他のパソコン通信業者としては、アスキーネット(11万人)、日経MIX(2.4万人)のほか、1995年11月に国内市場に参入した

 

 

 

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